「海外のIT・Web系の各ポジション名がどのような仕事かわからない…」
IT系やWeb系の職種っていろんな呼び方があって分かりにくいですよね。
特に異業種から転職を目指す方は、どの職種がどういった仕事をしているのか全く分からないかと思います。
私はカナダのIT系専門学校を卒業後、現地で就職活動をし、現地企業で働いてきました。
その経験を生かして、この記事ではそれぞれの技術や役職名の解説をしていきます。
これから未経験でIT・Web業界に挑戦する方はぜひ参考にしてみてくださいね。
スキルレベル別の呼称
まずはスキルレベル別の呼称になります。
また以下で大凡の実務経験年数を書いていますが、年数よりも実際のスキルレベルが見られます。
Junior / Entry Level (ジュニア / エントリーレベル)
日本で言う「新人」やスキルレベルが初級者の方は「ジュニアレベル」になります。(募集によってはEntry Levelと書かれていることも有り)
募集要項では 「Junior Web Developer」など、「Junior + 職種名」というような使われ方をします。
ジュニアレベルの実務経験は、だいたい1〜3年になります。
実務経験が3年未満の方はジュニアレベルの求人に応募すると職が得やすいでしょう。
Intermediate(インターメディエイト、中級)
次のレベルがIntermediateです。日本語で言うと中級レベルになります。
ただこのレベル名は募集要項では省かれることが多く、単純に職種名で募集されることが多いです。(Web Developer、System Engineerなど)
実務経験はだいたい3〜5年がこのレベル層になります。
Senior(シニア、上級)
次のレベルがシニア、上級です。
特にシニアレベルの技術者を採用する時に、「Senior + 職種名」で募集がかけられます(Senior UX Designerなど)
実務経験はだいたい6年以上になることが多いです。
Lead(リード、リーダー的ポジション)
Lead 〜という肩書が付く場合は、その職種のリーダー的ポジションを募集しています。
日本語でいう〇〇技術責任者、や、ディレクター職に近いです。
幅広い技術の知識から、会社で使う技術の方向性や、プロジェクト全体で技術面での取り決めを行うことが期待されます。
次に職種別の呼称について解説をしていきます。
最後の方でデザイナー系職種についても解説してるので、エンジニアではなくデザイナーの方でも参考にしてみてください。
この記事は2019年6月に書かれたものであり、今後技術の進化によって求められる技術が変わってくることもあります。
DeveloperとEngineerの違い
また開発系の職種は「職種名 + Developer / Engineer」と書かれることが多いです。
このDeveloperとEngineerの違いはそこまで大きな違いはなく、ほとんど同じ意味で使われます。
ただEngineerの方がよりゴリゴリのエンジニアリング、Develperの方が多少デザイン業務を含んだり、よりフレキシブルに使える単語として使われる感じです。(あくまで肌感覚です)
特に明確な定義はなく、会社で付けてるポジション名に合わせて募集をかけてることも多いです。
Web系エンジニアの職種別の呼称
Web Developer
Web Developerは、主にフロントエンド・バックエンド双方を含む職種名です。
フロントエンド寄りであれば、
- HTML、CSSなどのマークアップ言語
- WordPressのテーマ開発
- PHP、JavaScriptを用いた開発
をすることが多いです。
会社によってはよりバックエンド寄りのこともあります。
- データベース設計
- Postgre SQL、MariaDB、MongoDBが扱えること、
- PHPのLaravelフレームワーク
- JavaScriptのVue.js、React.js
などが使えることが書かれていることがあります。
とにかくWeb Developerという職種名は会社によってかなり変わってくるので、求められるスキルレベルをよくチェックすることをおすすめします。
また傾向として、小さめの会社でWeb担当として働く場合や、フロントエンド、バックエンドと分けるほど規模が大きくない会社で使われる職種名です。
Front End Developer
フロントエンドディベロッパーは、Web Developerの中でもフロントエンド専門の職種となります。
WebサイトやWebアプリ、モバイルアプリでも見た目側の開発を担当します。
- HTML,CSSなどのマークアップ言語
- CSSのプリプロセッサーであるSASS
- WordPressのテーマ開発
- Gitを使用できること
などが募集要項に書かれることが多いです。
Front End Engineer
フロンエンドエンジニアは、Front End Developerと被る部分が多いですがよりエンジニア色が濃い職種となります。
- HTMLやCSSといったマークアップ言語の理解
- TypeScriptやJava
- ReactやReduxといったJavaScriptフレームワーク
- オブジェクト指向に精通している
- Gitでの開発環境の経験
ことなどが募集要項に含まれてきます。
Backend Engineer
バックエンドエンジニアも会社によってかなり業務内容が変わってきます。
- Go、Python、Ruby on Rails、SQLの使用経験
- RESTful APIsの理解
- AWS、BigQueryの使用経験
- MVCアーキテクチャに精通していること
- オブジェクト指向に精通している
- マシンラーニング
といった技術が求められることが多いです。
とにかく会社が行ってる業務によって求められるスキルセットが変わってくるため、募集要項をチェックすることが大事です。
PHP/ Ruby on Rails / Python(Django) / React / SQL Developer
上記Backend Engineerだとあまりにも曖昧なため、言語を指定した職種での募集もあります。
これはその名の通り、それぞれの言語に精通した開発者を求めています。
共通して必要になってくるのは、
- オブジェクト指向の理解
- Rest APIの知識
- Webアプリケーションの開発経験
- テスト・検証の経験
が含まれることが多いです。
またRubyであればHerokuサーバーの知識も求められることが多いです。
アプリ開発系の職種別の呼称
次にモバイルアプリ開発系の職種別の呼称を紹介していきます。
iOS (Swift) Developer / Engineer
iOSディベロッパーはその名の通り、iOSアプリの開発者の募集です。
- Swift言語に精通してること
- Xcodeでのテスト経験
- C#や.NETでの開発経験
- COCOAやObjective Cでの開発経験
などが含まれます。
また下で説明するAndroidと合わせてiOS and Android Develperという職種で募集がかけられることもあります。
Android Developer
AndroidディベロッパーはAndroidアプリの開発者の募集です。
iOSと同じく、
- Androidでのアプリ開発に精通していること
- JAVA、Kotlinの知識
- オブジェクティブ指向の理解
- Android SDKに精通していること
- APIデザインスキル
- バグ修正のスキル
などが求められることが多いです。
Java Developer
JAVAでの開発に特化した開発者の募集です。
- J2EE/Java/Springの理解
- Node.jsの理解
- MVCデザインパターンの理解
- Oracle、MySQL,またはPostgreSQLの理解
- MongoDBやCouchDBなどのNoSqlデータベースの理解
などが求められます。
Software Engineer / Developer
ソフトウェアエンジニアは、主にデスクトップアプリやモバイルアプリの開発者に使われる役職名です。
- Java、Scala、C++が扱える
- クラウドAPI(AWS、Azure、GoogleやFacebookのプライベートクラウド
- Linuxの知識
- SQLの知識
などが求められることが多いです。
開発する製品によってはフロントエンド技術についても精通してることが求められてリ、UXの理解も含まれたりしてきます。
インフラ系の職種別の呼称
Infrastructure Engineer
インフラエンジニア、そのままの呼称ですが英語でもInfrastructure Engineerと呼ばれます。
- Vmwareとオープソースクラウドの実装
- Cisco UCS、Cisco Nexus、Nivle、EMC,Juniperなどのネットワーク機器の知識
- 複数の自動化
- DDoS攻撃の軽減及び最新のセキュリティ戦略
- LAN/WANのセキュリティ
など、主にネットワーク関連から、会社によってはそれぞれのサーバーのチェックのチェックもするようです。
Network Engineer
ネットワークエンジニアは、その名の通りネットワークに特化したエンジニアです。
- ルーター設定、WIFI・アクセスポイントの設定
- VPN設定
- DNS/DHCP、SNMPv3、IPv4/IPv6の実装
- ファイアーウォールの実装
- ネットワーク設計
- トラブルシューティング
などが求められます。
会社によってはCCNA、CCNPなどのシスコ系の資格があると望ましいと書かれている会社もあります。
Cloud Engineer
クラウドエンジニアはAWS,Azureなどのクラウドサーバーの管理・保守を行う職種ですl
- AWS設定、及びAWSの監視知識
- DevOpsスクリプトの作成
- CloudFormation, Chef & Puppetを使用した構成
- Linuxサーバーの知識
などが求められます。
Embedded (Systems) Engineer
いわゆる組み込みエンジニア職種です。
- Linuxの組み込みコントロールシステム
- デザイン自動化ツールを使用したPCBレイアウト
- ハードウェアとファームウェアのテスト
- C、C++を用いた開発経験
などが求められます。
デザイナーの職種別呼称
Web Designer
Web Designerはその名の通りWebに特化したデザイナーとなります。
こちらは日本とそこまで変わらないですが、会社によっては開発も兼任することがあります。
- HTML、CSS、レスポンシブデザインに精通していること
- タイポグラフィの知識
- Photoshop、Illustrator,Adobe XDに精通していること
- UI/UXのベストプラクティスの知識
- 英語での口頭及びライティングのコミュニケーションスキル
などが募集要項に含まれることが多いです。
最近は以下で説明するUI/UX Designerとも職種が被ることもありますが、基本的にはWebサイトに特化したデザイナーとなります。
UI Designer
UIデザイナーは主にモバイルアプリに特化したデザイナーです。ただ最近のIoTの発展により様々なデバイスに対応したデザイナーとしても呼ばれます。
行うことはWebデザイナーと似ていますが、扱うツールがWebデザイナーと異なってきます。
- PhotoshpやIllustrator,Sketch,AdobeXDなど各ツールを使用してのデザイン
- Invision,Figmaなどのワイヤーフレーム制作やチーム制作ツールの知識
- タイポグラフィの知識
- UI/UXのベストプラクティスの知識
- 英語での口頭及びライティングのコミュニケーションスキル
またUI及びUXデザインの職種自体がまだ登場してから日が浅く、UXと合わせてUI/UX Designerとしての募集も多いです。
UX Designer
UXデザイナー
- デザインコンセプトをユーザーズジャーニー、ウイヤーフレーム、モックアップに落とし込めるスキル
- ユーザー中心主義デザインコンセプトを理解していること
- Axure, OmniGraffleなどのプロトタイピングツールの知識
- 英語での口頭及びライティングのコミュニケーションスキル
などが募集要項に書かれています。
Graphic Designer
グラフィックデザイナーは紙媒体に特化したデザイナーです。日本で言うところのDTPデザイナーもここに含まれます。
- Photoshop、Illustrator、InDesign、Sketchなどの精通していること
- タイポグラフィーの知識
- レタッチの経験
- 英語での口頭及びライティングのコミュニケーションスキル
などが必要となります。
Digital Designer
デジタルデザイナーの呼称は、紙媒体とWebやアプリなど、媒体やデバイスをまたがってデザインをする場合に付けられる職種です。
小さいプロダクションや、企業内デザイナーにつけられる職種名です。
- Photoshop、Illustrator、InDesign、Sketchを用いてのデザイン経験
- UX/UIのベスト・プラクティスの知識
- 英語での口頭及びライティングのコミュニケーションスキル
など、求められるスキルの幅はその会社の業務内容によって変わってきます。
デザイン職種はどの職種もコミュニケーションスキルが募集要項に入ってくることが多いです。
これは職業柄特に様々な人とコミュニケーションを取る必要があるためですが、英語(もしくはその他言語)が母国語ではない日本人にとっては少しハードルが高い職種と言えます。
以上、海外就職・転職における英語でのIT・Web系の役職・職種名の解説でした!