海外でITエンジニアとして働くメリットデメリット

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「海外でITエンジニアとして働く上でメリットとデメリットってなんだろう」

そんな疑問をお持ちではないでしょうか。

私はWeb開発者としてカナダ現地企業で2年半ほど働いていました。

この記事ではその経験を踏まえて、海外でITエンジニアとして働くメリット・デメリットを紹介していきます。

海外でITエンジニアとして働くメリット

ITエンジニア


まず海外でITエンジニアとして働くメリットです。

定時帰りが当たり前

海外への就職を目指す理由として一番か二番に上げられるのが、日本の激務な労働環境に嫌気がさしたという理由。

私がカナダで出会った同じITやWeb関連の仕事をしていてカナダに来てる人に聞くと、50%以上はこの理由でした。

日本の労働環境にあまりにも馴染んでいると、海外では定時帰りが当たり前は本当なの!?と信じられない気持ちになると思いますが、本当です。

基本の労働時間は9:00〜17:00で、17:00になったらみんなすぐに帰ります。(私の以前の職場では、社長が真っ先に16時ぐらいに退社してました^^;)

長く働いてる=偉い、という考えもなく、むしろ勤務時間内に求められる成果が出せない方が、生産性が低くパフォーマンスが出せてない、とみなされます。

また国よっては残業規定などが法律で厳しく決められており、残業代を企業が支払わなければならないこともあります。

その場合、企業側としたら予定してるよりも余分なコストがかかってるんですね。

特に「長く働けば認めてもらえる」という考えは、海外で働くならすぐに捨てるべき考え方でしょう。

給料が高い

総じてITエンジニアの給料は北米の方が日本以上に高めです。

日本ではIT業界自体が生まれた頃、建設業界を模倣して業界が発展していきました。

そのため、ITコンサルタント > 大手Sier > プログラマー
のような序列になっているかと思います(あくまで大雑把な図式です)

対して海外ではそのような序列自体が存在しませんし、あえて言うとプログラマーが最も重宝されます。

というのもプログラマーが製品開発の一番の要であり、スキルがあるプログラマーの生産性は、スキルがないプログラマーの何倍・何十倍も違うからです。

その分プログラミング技術は専門性の高い技術とみなされており、給料が高めです。

また国の全体的な風土として、日本は専門職が低く見られがちです。

その他専門職である、看護師、機械工、美容師などの給料も、海外の方が2〜3倍高いです。(ここで言う海外は主に欧米ですが)

後は特にシリコンバレーのエンジニアの給料の高さが話題になりますが、なぜ新卒でも1000万を超える給料が出せるのかというと、製品の市場が世界規模だからです。

要するに一サービスで儲けられる額が、日本単一のサービスとは桁違いなんですね。

もちろんこれはサービスの規模によるため、働く会社によりますが。

社会的に専門職が認められ、市場が広いため給料が高いのがメリットの一つです。

シリコンバレー近くのサンフランシスコは家賃がものすごく高く、年収1800万円でもサンフランシスコで生活するのは大変なようです。ただサンフランシスコが異常なので、その他のエリアであれば年収が高い分メリットが大きいと思います。

専門職としてみなされるためビザが取りやすい(国による)

また上記に関連して、専門職してみなされるため、比較的ビザが取りやすいです。

特にIT業界の成長スピードに人材の供給が追いついておらず、IT人材はどの国でも不足しています。

その点でITエンジニアは他の専門職と比べても就労ビザが取りやすいと言えます。

ただアメリカ合衆国のように、移民を厳しく制限している国もあり、一概にITエンジニアであれば就労ビザが絶対取れるというわけではないです。

各国によって就労ビザ(ひいては永住権)が取れる条件は変わってきますので、自分が興味がある国があればまずはビザの取得条件を調べてみるといいでしょう。

実力が評価されやすい

4番目のメリットとしては、実力が公平に評価されやすいです。

特に日本の大企業などでは、上司が技術を理解しておらず、自分の功績がしっかりと会社に伝わっていない。

そのため、人事評価も低くつけられてしまっている、という状態も出てくるでしょう。

これは日本の新卒一括採用、総合職採用文化とも関連しています。

専門職毎に採用せず、会社内の部署異動が頻繁に起こるため、上司が技術を理解していない、そのため適正な人事評価ができない、といった問題が出てくるのです。

対して欧米を始めとする海外企業では、そもそも採用する時に「どのような職種で、どのレベルの成果を出して欲しい、給料はいくら」と明確に条件を出して採用活動をします。

そして採用担当もその部署の人、というのが一般的です。

それぞれの部署毎に募集をかけ、その分野のプロフェッショナルを採用する。

そして評価する側もその分野のプロフェッショナルなため、適正な人事評価が付きやすいです。

また転職してキャリアアップしていくのが一般的ですので、転職市場が活発で「その人がどんな案件でどのような実績を出したか」を可視化するのが大事になります。

こういった採用文化の違いにより、実力を正当に評価する、また評価されなかったらアピールして評価してもらう文化の違いがあります(不当な評価だと次の転職に響きますので…)

サービスが世界各国で使われる(会社による)

4番目のメリットとしては、サービスが世界各国で使われれる可能性があることです。

名だたるサービスとしては、Google、Facebook、Amazonなど。

そこまで規模が大きくなくても、日本では知られてないけど海外ではよく使われいてるサービスやアプリというのはたくさんあります。

日本語は日本でしか使われませんが、英語は世界各国で使われます。

また海外のサービスは始めからグローバル展開が前提のサービスが多いです。

世界中の人に自分が開発したサービスが使われる可能性がある、というのは大きなやりがいにもつながりますね。

英語での情報収集が普通になる(使う言語による)

その他のメリットとしては英語での情報収集が普通になることです。

もちろん働く国の言語によると思いますが、ご存知の通りITの最新技術情報は英語での情報が大半です。

今でこそWebメディアが発達し、海外ニュースが入って来やすい状況になってきていますが、それでも私の肌感覚では1週間程度同じニュースの発信にタイムラグがあります。

さらにニッチな技術情報はそもそも翻訳されなかったりします。

その点において、海外で働くために英語力を高めておけば、最新情報も得られ、かつ何か技術的につまづいても英語で検索して解決策が得やすくなります。

例え英語でなく中国語やスペイン語でも、得られる情報源が単純に増えるため、扱える言語が増えることはメリットでしかないです。

海外でITエンジニアとして働くデメリット

ITエンジニア 考え中

ここまでメリットを並べてきましたが、逆にデメリットも紹介していきたいと思います。

すぐにクビを切られるリスクがある(競争が激しい)

まずはすぐにクビを切られる(解雇になる)リスクが常にあります。

多くの日本以外の国では解雇規制がもっと緩いです。

そのため、求められるパフォーマンスを十分発揮していれば、正当な評価が得られる反面、発揮できていないと容赦なく切られます。(もちろん切られるまでの猶予期間的なのはありますが)

現に私が働いていたカナダの会社でも、私が開発している後ろでライターの子が「もう来なくていい」と言われ、その場で退社となっていました(編集社でWeb開発の仕事をしていたためライターがたくさんいました)

その点において、日本と比べると非常にドライと言えます。

解雇されやすい状況に戦々恐々とする方もいると思いますが、ただ他方で多くの日本人の方は大丈夫なのでは、とも思います。

それは、日本人は世界の中でも見てもかなり真面目に働く国民性なので、その危機感を持って働けば十分求められるパフォーマンスは発揮できると思うからです。

思った以上に他国の人って、働かないんですよね笑

たぶん日本で真面目に働くのと同じ意識で海外で働けば、十分通用するとは思います。

クビを切られるのが特に怖いのが、家族持ちでその企業がサポートしてくれた就労ビザで働いてる方になるでしょう。

企業がサポートしてくれる就労ビザは切れたらすぐに国外退去しなければならない、という場合があります。(永住権を取れば居続けられますが)

そういったリスクは常につきまとうのは海外就職のシビアな側面です。

言語の壁がある

また言語の壁もやはり大きなデメリットです。

職場に日本人がいない場合、常に第二言語でコミュニケーションを取る必要があります。

母国語の日本語のように、自分が思ってることを微妙なニュアンス含めて伝える、というのは第二言語だとハードルが高いです。

また内気な方だとプライベートでも何でも語り合える友達を作るのも一苦労、ということも出てくるでしょう。

海外に行った当初は、語学学習の意欲も高く、英語が日常的に使用される職場に興奮することもあるでしょう。

ただやはり第二外国語の英語と、母国語である日本語では伝えられる内容に差があり、次第に英語で話すのが億劫に感じられることも出てきます。

それでも言葉の壁を乗り越えて働く!という強い意思が必要です。

言語による壁は想像以上にストレスとなるので、ストレス耐性があることも大事となります。

食・文化の違いによるストレス

また食・文化の違いによるストレスもかかってきます。

海外で長期滞在すると分かると思うのですが、日本食って本当に世界でもトップクラスに美味しいんですよね。

海外でも日本食を日常的に食べたい方は、日本人がたくさんいる都市に住むのがおすすめです。

日本人が一定規模住んでる都市であれば美味しいジャパニーズレストランがあります。

日本食があまり充実していない、日本の食材が手に入りにくいエリアでは、日本食が食べられなくても問題ない精神が必要となります笑

気候によるストレス

また気候によるストレスがることもあながち見落とせません。

日本には四季があり、通年を通して過ごしやすい気温です。

対して緯度がもっと高い北欧やカナダなどの国になると、冬の平均気温がマイナス10度、20度となってきます。

またイギリスでも年間を通して雨や曇の日が大半など、国・エリアによって気候が変わってきます。

対して東南アジアでは年中を通して温暖ですが、日本よりもひどい湿気があるエリアもあります。

特に体調が気候の変動を受けやすい方は注意した方がいいでしょう。

医療サービスを受けるストレス

医療サービスを受けるためのストレスも、日本よりもかかってきます。

例えば医療保険。

日本の場合は国民皆保険で日本国民であれば高額な医療費は請求されません。

しかし例えばアメリカは皆保険制度がなく、医療費を払えず医療サービスが受けられない、ということもあります。

また国民健康保険がある国で保険が大丈夫であったとしても、怪我や病気で状態を説明するのにもちろんその国の言葉で説明できる必要があります。

また国によっては日本ほど医療が発達してないところもあり、日本ほどしっかりした治療が受けられないこともあるでしょう。

このように医療サービスについてもある程度覚悟を持っておくのが大事です。

まとめ

ITエンジニア

以上が海外ITエンジニアとして働くメリットデメリットです。

デメリットはありつつも、私の場合は海外で働いたことはものすごくいい経験になりました。

何より「世界のどこでも働ける、生きていける」という実感が得られたのが大きかったです。

上記のようなメリット・デメリットがあることを考慮しつつも、海外就職・転職に向けて少しでも前向きに行動されることを願っています!