「英文履歴書ってどうやって書けばいいんだろう」
そんな疑問をお持ちではないでしょうか。
海外就職や海外転職をする上で英文履歴書は必須になります。
ただ日本とは違い、決まったフォーマットもなく、どのように英文履歴書を作成すればいいか分かりませんよね。
私はカナダの専門学校に行き、その後現地で就職活動をし、就職した後、また転職も果たしました。
また就職活動の際には現地キャリアアドバイザーにも何回も目を通してもらって内容の推敲を重ねました。
その経験を基に、海外就職・転職で使える英文履歴書の書き方をお伝えします。
最後にテンプレートもダウンロードできるようになっていますので参考にしてみてくださいね。
[toc]海外の履歴書は日本の履歴書と職務経歴書を合わせたもの!
英語の履歴書は日本の履歴書と職務経歴書を合わせたものになります。
日本では履歴書と職務経歴書を分けて記載していると思いますが、英語の履歴書には職務経歴もまとめます。
また決まった形式もなく、日本のようにコンビニに履歴書が売ってるわけではありません。
ある意味自由に書いてOKなのですが、いくつか種類は存在します。
以下で英文履歴書の種類を説明していきますね。
履歴書の英語名ですが、アメリカ英語ではResume(レジュメ)、イギリス英語ではCurriculum Vitae(カリキュラム バイティ)と呼ばれます。
Curriculum Vitaeの場合は略して「CV」と呼ばれることが多いです。
英語で履歴書について検索すると、頻繁に「CV」という単語を目にすると思いますが、このCVは履歴書を意味しています。
英文履歴書の種類
英文履歴書には3つの種類があります。
それぞれの種類においてメリット・デメリットをまとめています。
年代順(Chronological Resume)
職歴や学歴を時系列で新しい順に並べる書き方です。
メリット | 経歴の一貫性・継続性をアピールできる |
---|---|
デメリット | 業界をまたぐ転職が多い場合はアピールしにくい(筋が通っていればいい) |
職務別(Functional Resume)
専門職や、高いスキル・長いキャリアを持ってる人に向いている書き方です。
メリット | 専門性が高い人はスキルや実績をアピールしやすい、違う業界に転職したい人も使いやすい |
---|---|
デメリット | 経歴が浅い人、未経験の人はアピールしにくい |
混合式(Combination Resume)
年代順と職務別を組み合わせた書き方です。最も汎用性が高く、職歴が浅い方におすすめの書き方です。
メリット | 経歴が浅い人でもまとめやすい |
---|---|
デメリット | 学歴をアピールするには不向き |
英文履歴書のフォーマット
次に英文履歴書のフォーマットについて解説していきます!
用紙サイズはレターサイズが一般的
用紙サイズのレターサイズというのは、北米で一般的に使われるサイズで、A4よりもレターサイズが主流です。
印刷用紙もA4の変わりにレターサイズを使うことが多く、もし北米での用紙サイズに合わせるのであればレターサイズで印刷してきれいに見えるように整えましょう。
1枚にまとめるのが好まれる(最高でも2枚)
英文履歴書はできる限り1枚でまとめましょう。
自分をアピールするのは大事ですが、それが何枚に渡って冗長に書かれても採用担当は読みません。
応募者が多い場合は採用側も何人もの履歴書を読みます。
その時にむしろ1枚に実績や強みが簡潔にまとまっていた方が読みやすく、また好印象を持ってもらえるでしょう。
職歴が長い人でどうしても1枚に収まりきらない場合は2枚使用しても大丈夫です。
ただどれだけ長い職歴でも2枚にまとまっていた方が好ましいです。
手書きでなくてもOK
また日本のように履歴書を手書きで書く必要はありません。
むしろパソコンで作成した履歴書を使用している人が大半です。
募集によってはオンラインで履歴書を送る兼ね合いからも、PDFなど電子化された履歴書の方が使い勝手がいいでしょう。
日本の履歴書にあって英文履歴書では不必要な欄
顔写真
日本の履歴書では絶対にある顔写真欄も必要ありません。
これは特に欧米では人種や容姿による雇用の差別をしてはならないことが法律で厳格に決まっており、そのため顔写真を貼る欄もありません。
私が見た限りでは、ハイエンドな飲食業では見た目も重要視されていると感じました。
カナダでおしゃれなレストランでは明らかに容姿による採用をしているなーというところもありました。。
ただし一般的な会社であればまず容姿採用はNGですし、しっかりとスキルの方が見られます。
生年月日・年齢
生年月日も必要ありません。
容姿同じく、年齢による雇用の差別をしてはならないためです。
そのため履歴書にも記載する必要はありません。
性別
性別も記入する必要がありません。
容姿・年齢同じく、性別による雇用の差別をしてはならないためです。
上記のように、とにかく人種、容姿、年齢、性別による雇用の差別をしてはならないため、履歴書に書く必要はありません。
雇用の差別についてはとても敏感なので、履歴書の書き方にまで浸透していると理解すれば大丈夫です。
志望動機
日本の履歴書では最も重要になると思われる志望動機欄ですが、英文履歴書では使いません。
これは海外の採用活動の考え方にも関係してくるのですが、海外は日本とは違い終身雇用ではありません。
お互い転職することを前提としているので、「その会社で働きたい理由」はそこまで重要視されないんですね。
志望動機を伝えるより、むしろその会社にどう貢献できるのか、どういった実績があるから求められてる仕事ができるのか、といったことを説得力持って説明した方が好印象です。
志望動機があったところでスキル不足で実際に求められてる仕事ができないと本末転倒。
また日本の志望動機は「なぜその会社に応募したのか」が焦点が当てられがちですが、海外の志望動機は「なぜそのポジションに応募したのか」に焦点が当てられます。
そして「なぜ募集に興味を持ったか」というような説明を書きたいのであれば、カバーレターに書いた方がいいです。
カバーレターの書き方については下記の記事で詳細に説明しているので読んでみてください
日本のように、「御社の〇〇といった社風に惹かれて〜」といった理由で志望理由を説明する必要はなく、またそのような理由は採用側にとってもあまりいい印象を持たないので注意しましょう。
英文履歴書の書き方のコツ
次に英文履歴書の書き方のコツをお伝えします。
特にスペースが限られていて、自分のアピールポイントを書く英文履歴書は通常の英文ライティングの書き方とは違う点もあるため、一通り目を透してください。
主語の「I」は書かず、動詞か名詞で始める
英文履歴書では主語の「I」は書かずに動詞か名詞で書き始めます。
履歴書はその人のことが書かれていることは自明なため、主語のIは省きます。
過去の実績は過去形の動詞で、現在進行中は現在進行系で書く
英語には時制があるため、過去の出来事は過去系で、現在進行中の出来事は現在進行形で書きましょう。
冠詞のaやtheは省く
また英語の冠詞のaやtheも省きます。
年代は新しい順で書く
日本の履歴書とは違い、年代は新しい順で記載していきます。これは実績欄も学歴欄も共通です。
英文履歴書のテンプレートの紹介
それでは私が実際に使っていた履歴書を、一般の方向けにアレンジしたテンプレートで説明していきます。
私がカナダでの就職活動中に、現地のキャリアカウンセラーから教えてもらった書き方ですので、北米のキャリアカウンセラー直伝の方法となります。
こちらでGoogleドキュメントで閲覧用にシェアしています。
利用にはGoogleアカウントが必要ですので、持ってない方はまずはGoogleアカウントを作成してください。
Googleアカウントにサインイン後、ファイル→「コピーを作成」をクリックして、ご自分のGoogleアカウントにコピーを作って編集してください。
またWordで編集されたい方は、ファイル→形式を指定してダウンロード→Microsoft Word(.docx)をクリックすると、Wordのファイル形式でダウンロードされます。
ダウンロード後ファイルをWordで開いて編集してください。
またその他のフォーマットを使用されたい方は、「Resume Template」で検索するとありとあらゆるテンプレートが見つかると思うので、お好きなものをお使いください!
書き方を説明するにあたって、私自身が過去に書いた自分の経歴書を見たい方もいると思うので、私が入力後のテンプレートも紹介しておきます。
以下の章から書き方について説明をしていきます。
以下からの説明は、ある程度の英語力がある前提での説明になっています。英文履歴書を書く英語力が不足している場合は、転職エージェントの力を借りると共に英語力の底上げをしましょう。
以下の記事でおすすめの転職エージェントと英語の学習方法やおすすめの英会話スクールについて記載しているので参考にしてみてください。
独学で海外就職できる英語力を身につけるおすすめの英語学習方法
またページ下で英語力がなくても英文履歴書の例文を参照しつつ入力できるサービスも紹介してますので参考にしてみてください。
英文履歴書の書き方:左の欄の説明
Summary of Qualification
Summary of Qualificationには自分の特にアピールしたい実績やスキルを端的にまとめて箇条書きにします。
テンプレートでは文章になっていますが、文章でも問題ありません。
ここは一番始めに採用担当者が目を通すため、とにかくその会社の募集要項に沿って自分がアピールしたいポイントを並べていきましょう。
募集要項に合致した人材だと感じてもらうためアピールポイントの並びにも気を配っていました。
この部分は会社の募集要項に沿って書き換えます。
会社によって同じ職種でも求めているスキルや経験、職務が違うため、その会社に合わせて履歴書でアピールするポイントも変えた方がベターです。
Work Experience(Professional Experience)
この項目では各担当プロジェクト毎や会社毎に年代が新しい順で記載しています。
まず最初の一文ではポジション名、会社名、所在地、働いていた期間を記載しています。
その下に箇条書きでどのような職務を行ったか、またそのプロジェクトでの自分の実績を記載していきます。
この項目も応募する募集要項に沿った内容にしていきます。
求められているスキルや仕事に関連する実績があることをアピールします。
実際に私が就職活動をしていた時も、より募集要項にマッチした人材だと思われるように一社毎にアピールポイントを変えて書いていました。
私の場合は職歴が短かったこともあり、またわかりやすくするためにも同じ会社でも全く違うプロジェクトの場合はセクションを分けて記載しています。
職歴が長い方であれば、募集要項と関連がある実績に絞って記載するといいでしょう。
募集要項に応じて内容を変えるとなると、毎回書き換えるのは大変でないか?とお思いの方もいるでしょう。
ただ何枚も履歴書を送っていくとわかってくるのですが、履歴書でアピールするポイントがたいていパターン化していきます。
そのため数をこなしていく内に、自然と「この会社ではこの部分をアピールすればいい」というのもわかってきます。
またその度にゼロから文章を作る必要がなく、一度文章が出来上がったらあとはコピーと貼り付けで入れ替えるだけになるのでそこまで時間はかからなくなります。
Education
次に学歴を新しい年代順に記載します。
学位名、教育機関名、所在地、年代の順に記載します。
最終学歴が大学であれば、高校から書き始めれば大丈夫です。
逆に大学院や修士過程まで進んだ方であれば、大学以上の学歴や最近の学歴のみで大丈夫です。
要するに今の仕事に関連がある学歴を中心に記載しましょう。
Honors & Awards
仕事に関連する分野で何か賞を取ったことがあればこちらに記入しましょう。
特に賞を取ったことがなければこの欄は消してしまって構いません。
英文履歴書の書き方:右の欄の説明
Contact Details
最初にご自分の連絡先情報を書いてください。
例だとTwitterのアカウントが記載されていますが、仕事に関連するつぶやきをしていてアピールになるのであれば入れるといいでしょう。
プライベートなつぶやきばかりであれば特に記載してもプラスにならないため、記載しなくても構いません。
Webデザイナーでポートフォリオがある場合はURLを記入します。
またLinkedinのアカウントもあればこちらに自分のアカウントのURLを記載します。
Linkedinのアカウントは欧米圏の就職活動ではなくてはならないもののため、ない人は下記のページを参考に作成してくださいね。
Professional Skills
Professional Skillsは募集分野で必須となるスキルを記載しておきます。
募集要項で「Requirement(必須)」となっているスキルについてはここに記載しておきます。
また持っていると採用にプラスになるスキルについても、もちろん記載しておきましょう。
Software Skills
私の場合はWebディベロッパー職への応募であったため、プログラミングスキルや使用できるアプリケーションを記載していました。
専門職の方で上記プログラミングや、その他その職種で特殊技能でアピールできるスキルがある場合はここの欄に書くといいでしょう。
また専門職でなければ、例のようにオフィス関連のスキルなどを書いておきましょう。
Personal Skills
趣味やその他仕事には直接関係ないけど持っているスキルを書きます。
他の英文履歴書の書き方を解説しているサイトでは、趣味欄はなくていいと書かれているところもありますが、私は入れるように指導を受けました。
そして就職活動をしていく中で、意外と大事な欄だなと思いました。
というのもある程度選考が絞られてくると、応募者のスキルレベルは大体似たり寄ったりになり、後は一緒に働いて働きやすいか、というのがポイントになるんですね。
この時に趣味などが合ったり、人間性を出していった方が、採用側に「一緒に働きやすそう」と思って採用につながりやすいです。
仕事とは関係なくても書いてあった方が会話で書いてもらえ、普段の自分も出しやすくなるので書いてあった方がいいと思います。
「Hobby」と書かないかというと、キャリア・アドバイザーにはっきりと理由を聞きそびれたので正直分かりません。
(個人的にはSkillsとして職務に関連するスキルと思いきや、あまり関係ないスキルが書いてあるので印象に残りやすいのかな、と憶測してます。。違うかもしれませんが^^;)
Reference
Reference(リファレンス)は欧米圏特有のもので、前職の直属の上司や学校の先生など、自分の働きぶりがわかる人からの推薦になります。
特に面接で最終選考まで進むと、必ずこのリファレンスを求められます。
リファレンスの準備ができていない方は今のうちから準備をしておきましょう。
Objective statementは書かなくてもいいの?
他のテンプレートでは「Objective」という応募目的を書く欄があるテンプレートが多いです。
Objective statmentには通常、自分がどのようなキャリアを歩みたいかを端的に書きます。
しかしキャリア・アドバイザーからもこのObjective statementは省いていいと言われました。
理由は採用側としてはあなたが何をしたいかよりも、どう会社に貢献してくれるのかを見ているからです。
気になって調べたところ、北米で著名な雑誌であるFast Company誌でもObjedctive Statementは書かなくていいと紹介されていました。
以下本文の意訳で紹介します。
最近のトレンドとして、Objective statementを履歴書に含める慣習はなくなってきている。
以下の例で考えてみよう。
“Seeking a role as an investment analyst to advance my career in the financial industry.”
この例には2つの問題がある。退屈であり、かつどのように応募者が募集企業の課題を解決するかではなく、自分自身のキャリアをどう進めるかについて焦点が当てられている。
Objective statementを書く代わりに、募集企業に対して自分の価値を強調する見出しを書く方がよい。
引用:9 Resume Mistakes That Might Cost You A Job:Fast Company
以上のような理由からObjective Statementはなくても問題ないでしょう。
英語力が不十分だけど独力で書く場合はzetyがおすすめ
英語力が不十分だけど独力で書く場合にはzetyというサービスがおすすめです。
zetyではテンプレートを選択後、項目毎に記入していけば、最後自分の履歴書が作成できてダウンロードができるサービスです。
特にSummaryを書く欄において、例文が幾つか選べるため、その例文を追加して自分用に書き換えることができてしまいます。
有料サービスにはなりますが、$5〜$35で使用できるので、もし転職エージェントを使わずに書く場合には使用してみてもいいでしょう。
新卒の場合英文履歴書はどうやって書く?
新卒で全く実績がない場合はどう書けばいいのか、悩む方もいると思います。
欧米圏ではまず新卒の場合は在学中に自分が就きたい職種のインターンをすることが多いです。
またインターンへの応募の際は、学業でどのような研究をし成果を出したか、また課外活動やボランティアでどのような成果を出したかを書くことが多いです。
そのため欧米の学生は学業をしっかりこなし、かつ課外活動にも精力的に参加するんですね。。(ここでの課外活動は、遊びのサークル活動のようなものではなく、専門分野に関係していたり、社会的意義があったりする活動です)
日本の大学に通い、特に遊んでばかりいた、、という学生の場合、英文履歴書に何を書くのか困る方も多いと思います。
その場合、パイトで何か自分の実績が書けることがあれば書けばプラスになると思います。(サークルの経験は見せ方にもよりますが、アピールポイントにしにくいと思います)
ただ欧米圏を始めとする会社は新卒採用自体がなく、あるのは経験者採用のみです。
最初に説明した通り、多くの学生はインターンで就きたい職業の経験を積んで、それを基に就職活動を行います。
ですので一番採用確率が上がるのは、就きたい職種の実務経験を積むこと。
そのためひとまず日本の企業で実務経験を積んでから海外就職を目指すのも現実的な選択肢として有りかと思います。
以下の記事では新卒でITエンジニアとして海外主就職する方法について説明したものですが、ITエンジニアを目指さなくてもためになるかと思います。
新卒で海外就職を目指す方は以下の記事を参考にしてみてください。
以上、英文履歴書の書き方についてでした!参考になれば幸いです。
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