「海外就職・転職に興味があるけど、日本の会社とはどのように働き方が違うんだろう」
そんな疑問を持っていないでしょうか。
日本の労働環境は世界から見るととても特殊です。
終身雇用、年功序列、縦社会…どれも世界(特に欧米系)ではない特異なシステムとも言えます。
この記事ではそのような日本の労働環境や海外の主に欧米系企業の労働に対する価値観の違いについて解説していきます。
私は日本の大学卒業後、日本で就職をして3年働いた後、カナダのIT系専門学校を卒業し、就職活動をしてWebディベロッパーとしてカナダの企業で働いてきました。
日本の労働価値観で海外就職に挑むと、その文化の違いからあれ?となることもあるのでぜひ参考にしてみてください。
付き合いの飲み会はほぼなし(年に4回程度)
欧米系の企業では、付き合いによる飲み会はほぼないです。
付き合いの飲み会がなければどこでコミュニケーションを取るの?と思われる方もいるかもしれませんが、
そのようなコミュニケーションの場も基本的に業務時間内に行います。
というのも「仕事に関連することは、基本的に業務時間内に行うべき」という考えがあるからです。
フランクな職場環境であれば、社内にビールサーバーが置いてあり、少しビールを飲みつつ交流する、という会社もあるでしょう。
ただ私が務めていたカナダの会社では4半期毎ぐらいに1度みんなで飲みに行く機会がありました。
また15時ぐらいになると各自持ち寄ったクラフトビールをショットグラスに入れて飲み比べる、という交流の時間を設けていました。(私は飲むと眠くなるのであまり飲みたくはありませんでしたが…)
またその前の編集の会社でも2週間に1度程度飲みに行っていましたね。
ただその飲みの席では基本的にあまり仕事の話はしませんし、帰る時間も自由です。(来たくなければ来なくてもよいです)
しかもITエンジニアであっても定時上がりですので、17時にはみんなオフィスを撤収して飲み始め、19時ぐらいから「家族の用事があるから」と言って帰る感じですね。
日本のように「強制参加」で「上司に注ぐ」などの文化は全くなく、雰囲気も違いますので一概に比べられません。
こういった付き合いが苦手な人にとっては欧米の働き方が合うのではと思います。
(ただその分言語による壁があるので、積極的に話して行かないと信頼関係が築きにくい、という負の側面はありますが)
残業をする人は仕事ができない人
日本では「働き方改革」が提唱されているものの、まだまだ残業文化が根強いと思います。
しかし欧米系企業を始めとする海外企業では、「残業をする」ということはあまりよく思われません。
少なくとも日本のように「長時間働いてる」= 「よく働いてる」と思われ、評価がよくなる、ということはまず起こりえません。
そもそも業務時間内に担当している仕事が終わらないということは、求められているレベルの仕事が業務時間内で終えられていないということ。
つまりはパフォーマンスが悪い、とみなされます。
もちろん時間をかけてまで働いて完遂させる責任感は認められますが、海外の法律では厳しい国も多く、残業代をきっちりと支払わなければ会社がペナルティを受けることもあります。
その場合、会社としては本来払いたくないコストを支払うことになるため、その従業員は対価に見合ったパフォーマンスが出せていない、と考えられるわけです。
残業ができない分、業務時間内の生産性を高めて、求められる仕事をしっかり終えることが重要です。
職種別の採用が基本(会社単位で採用することはまずない)
海外では新卒採用もなく、基本的に全社的に採用活動を行うより、職種毎に採用活動を行います。
〇〇のポジションが空いたから、そのポジションの採用活動をする、という感じです。
ただスタートアップなどで一気に人員を募集する企業もあり、そういった企業の場合はジョブフェアなどで大体的に人員を募集するケースもあります。
ですので日本のように「総合職」というものが存在しません。
ましてや2〜3年ごとに部署異動があり、求められるスキルが全く変わるなんてことも起こり得ません。
一般的に日本の特に大企業になるほど、その「会社」に就職し、「会社全体の業務に精通するジェネラリスト」になることが求められます。
しかし海外企業でそのようなことはなく、それぞれの専門領域で、その専門スキルを持った人を採用する、というのが基本です。
ここは大きな違いで、海外就職・転職をする上でも関わってきます。
経営者も従業員も対等な立場
また海外では経営者(社長)が偉く、その下に部長がおり、その下に平社員、、のような縦社会のような構造はありません。
もちろんアシスタントよりもディレクターの方が職務が上、ということはありますが、基本的には対等な立場です。
経営者は経営を行う役割、ディベロッパーは開発を行う役割、プロジェクトマネージャーはプロジェクトマネジメントを行う役割。
それぞれの役割を行うためにポジションがあり、そこに上下関係はあまりありません。
そのためポジション名で呼ぶよりも、ファーストネームで呼び合うことが普通です。
特にIT業界では海外でも他業界に比べてフランクな雰囲気が多いので、特に上司や部下といった概念が希薄に感じます。
また面接でもお互いが対等な立場で、「雇ってもらう」というよりかは、「お互いの条件がマッチしたから一緒に働きましょう」というスタンスが普通です。
転職してキャリアアップするのが一般的
海外では1つの企業に長く務めるよりも、自分自身のやりたいことや、希望する条件にマッチした企業があればそちらに移っていくのが普通です。
転職はいわばキャリアアップの一貫で、より高待遇のところがればそちらに移ります。
では企業はどうやって優秀な人材を引き止めるのかというと、自社の福利厚生を充実させる、よりよい給料・条件で引き止めるわけです。
例えばIT業界であれば、働きやすい職場環境を整える。
歯科の医療保険まで会社で負担する(日本と違って歯科は国民健康保険に含まれないことが多いです)という具合にです。
そこで働いている従業員も他社の条件をちらつかせて現在働いてる会社でより良い条件を引き出す、ということもあります。
ただ優秀な人材であればあるほど、ポンポンと転職をしていきます。
期待される職務が遂行できないとクビを来られるシビアな世界
今のところ割といい側面ばかり説明していきましたが、その逆も然り。
雇用される側が転職が前提である半面、雇う側も求めるパフォーマンスが出なければ割とドライに解雇します。
通常3ヶ月の試用期間があるのですが、まずはそこをクリアできるかどうかがポイントです。
ただ日本で普通に働いてる働き方であれば、勤務態度はとても真面目なため、求められるパフォーマンスが十分出ていれば早々クビを切られることはないでしょう。
海外転職を目指すなら、海外転職に強い転職エージェントへの登録がおすすめ
このように日本とは大きく違い、海外企業の労働環境は端的に言えば「フラット」です。
煩わしい人間関係のイザコザなども日本に比べると少ないと思います。
上記のようにすぐ解雇されるリスクもあるデメリットを含めて、海外企業への転職に挑戦してみたい!という方はぜひ挑戦されることをおすすめします。
特に日本の労働環境に馴染めない、疑問に思われる方は一度は挑戦してみる価値はあると思います。
どちらの環境も体験した上で、より自分に合った働き方やキャリアを構築していくといいでしょう。
以下のページで海外転職におすすめの転職エージェントを紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
以上、海外企業と日本の労働観の違いについてでした。参考になれば幸いです。
追記:
最後に海外の職場がよくわかる雰囲気のツイートがあったので掲載しておきます。女性が居眠りしてしまってますが、みんなで拍手で起こすというものです。
日本で仕事中に寝てたら怒鳴られるでしょ?海外ではこんなハッピーな起こし方で起こす会社もあるんですよw
— Kei | 小さなニューヨーカー (@smallnycer) 2019年8月7日
こんな感じで、日本だと怒られる場面でもユーモアで対応することも。
基本的に日本の職場環境とは違い縦社会じゃないためラフな感じです。