「将来は海外で働きたいと思っているけど、挑戦するなら20代でしておいた方がいいのでは。」
そんな疑問をお持ちではないでしょうか。
私は20代でカナダの専門学校に入学し、その後現地で就職活動・転職活動を行い合計2社で働きました。
その経験を踏まえて20代での海外就職・転職でのメリット・デメリット、なぜ20代での海外就職・転職がおすすめなのかについてお伝えしたいと思います。
20代での海外就職・転職は可能か
結論から言えば、「可能」です。
なんせ私が20代でカナダで就職してますし、しかるべき準備や行動をすれば20代での海外就職は不可能ではありません。
特に海外では年齢による雇用の差別はしてはいけないことになってるので、そもそも「何歳だから無理」というのはないんですね。
また海外就職するために専門性は大事ですが、華麗な経歴が必要というとそういうわけではありません。
企業が求めるスキルさえあれば海外で働くことは可能なんですね。
20代での海外就職・転職のメリット
海外就職や海外転職は20代で、というか若い方がメリットがたくさんあると思います。
どうしてメリットがたくさんあるか、説明していきますね。
専門性が付く
海外就職、特に現地企業に就職するためには何かしらの専門性が必要になってきます。
ですので、海外で働くことを目指す時点で専門性を身につけることになるんですね。
専門性があることは、その後のキャリアでもプラスになってきます。
もちろん専門スキルを身につけるのが早ければ早いほど、その後実務経験を身につけていけるので20代から専門性を身につけておくことは有利になってきます。
例えその後キャリアチェンジすることがあっても、既に身につけた専門性とかけ合わせることでユニークな人材になりやすいです。
(※日系企業での海外勤務の場合でも、ある程度専門性を磨いてから駐在員として派遣されると思います)
第二言語(英語・中国語など)の語学力が上がる
2番目としては語学力が上がる点です。
当たり前ですが、海外で働くにはその国の言語を習得するか、最低限英語を話す必要があります。
特に英語が話せると、働ける国が大きく広がるので、特定の国にこだわりがなければまずは英語力を身につけるのがおすすめです。
そしてご存知の通り、日本でも英語ができる人材は重宝されます。
上記であげた専門性と英語力があれば鬼に金棒で、日本に帰ってからもキャリアアップに有利になります。
また仕事だけでなく、日常生活でも他国の人と違う言語でコミュニケーションを取ることは楽しいですよ。
間違いなく人生を豊かにしてくれるので、語学力が上がるのは大きなメリットです。
異文化適応能力が上がる
日本以外の国で働くことは、その国の文化に適応する必要もあります。
その国の人の考え方・価値観や文化を理解していかないと、軋轢が生まれてしまうんですね。
そしてこの異文化適応能力は、若い時の方が対応力があるので20代での方が断然有利。
ある程度の年齢を過ぎると、自分が慣れ親しんだ環境や価値観を変えるのは難しくなります。
異文化に浸かることは、今まで慣れ親しんだ日本の価値観や考え方を変えて、相手に合わせる必要が出てくるんですね。
それ自体がストレスになるよりも、違いを楽しむ気概が海外で働くには必要ですが、若い20代の方が持ちやすいと言えます。
また20代で異文化適応力を身につけておけば、その後の人生でまた海外で働く事になっても適応しやすいでしょう。
レールから外れるのが怖くなくなる・多様な生き方ができるようになる
日本では未だに年功序列・終身雇用が前提で、履歴書の空白期間はできる限り避けるように言われていますよね。
ただ世界ではもっと柔軟に、自分が生きたいように生きてる人がたくさんいます。
そういう人達と一緒に働いていると、「あーもっと自由に生きていいんだ」というのが賦に落ちてきます。
よく「レールを外れるのが怖い」という人がいますが、日本でしか働いたことがなく、日本でしか通用しないスキルで、日本語しか話せないと、確かにそう感じやすいかなと思います。
しかし日本語以外の言語で、日本国外でも通用するスキルを身につけておくと、選択肢が広がるのでより自由に生きられるんですね。
もちろん他国で働くにはビザの問題がつきまといますが、より柔軟な生き方・考え方ができるようになるのは確かです。
海外就職・転職する時点で既に”レール”からは外れてるんですが。。その分、伝統的な日本の雇用環境にどっぷり浸かった人とは話や考え方が合わなくなってきます。それがデメリットと考える人は、そもそも海外就職や転職を考えないのではないでしょうか^^;
20代での海外就職・転職のデメリット
次にメリットばかり上げても信憑性に欠けるので、デメリットに関しても紹介していきます。
日系企業の現地採用だと日本に戻った時に転職しにくい
デメリットの一つとして、日系企業の他国の現地採用である場合、日本に戻った時の転職しにくくなります。
- 日系企業の現地採用は駐在員と比べて雑用が多く、専門性が身につかない
- 海外子会社への就職の場合、本社採用された人との間には高い壁がある
- 現地採用から日本の本社へのキャリアステップの道はない
- そのため給料の上限も低い
と、日本企業の現地採用はその後のキャリアにメリットが少ないです。
ですので、「とにかく海外で働きたい」と思ったとしても、日系企業の現地採用であればその後のキャリアも含めて慎重に考えた方がいいでしょう。
全て自己責任
海外では何かトラブルが起こっても全て自己責任になります。
事故に巻き込まれる、ビザの取得に問題がある、急遽入院が必要になった、、と、様々なトラブルが起こっても全て自分で解決する必要があります。
特にあまり主張することに慣れていない日本人ですが、そんな中生きるためにビザ関係を始めとして様々な機関に主張していく必要がある場面もあります。
逆に言えば、何が起こっても全て自分で解決していかなければならないので、問題解決力やサバイバル能力がつきやすいとも言えます。
日本では法律で守られていたり、周りの人に助けられたりすることが、海外では基本独力で解決していく必要があります。
と言っても、周りの人の助けを借りるのも大事です。助けを求めることを含めて、自分で解決するという意味で話しています。)
身内の不幸や友人の結婚式に出席できない
また海外にいるとすぐに身内の不幸や友人の結婚式に出席できません。
私もカナダにいる間に何人もの友人の結婚式を欠席してきました。
中には親友の結婚式もあったので、ちょっと心残りですね。。
特にビザの切り替えタイミングになると、その国から出ると再入国できない、ということもあり出るに出られない状況になることもあります。
そのような時に身内の不幸が重なると大変です。
案外この点が海外で働く上での最大のデメリットかもしれません。
20代での海外就職をおすすする理由
以上メリット・デメリットを紹介していきましたが、個人的には20代の方には海外就職・転職をおすすめします。
20代での海外就職を私がおすすめする理由としては、20代が一番動きやすい時期だからです。
「やりたいことが分からない」なら海外で働く選択肢もあり
「やりたいことが分からない」という悩みを抱えている人は、どんどん興味を持ったことにチャレンジした方がいいです。
いろんなことをやっていく中で、何が自分に合うか、何をやっている時が楽しいかわかってくるからなんですね。
その「いろいろなことをやる」という中に海外で働くことも入っていてもいいのではと思います。
というのは海外で働くのは日本で働くのと全く職場環境も違います。
労働観も違いますし、何なら文化も違う。
全てが違うので、より多くの面で自分を試せるため自分のことがより深く分かるんですね。
もちろん楽しい経験ばかりではないですし、辛いこともたくさんあると思います。
多様な経験を積めるという点で、海外で働くことを20代で経験しておくことはその後の人生で大きな影響を与えるし、全く違った人生になると思います。
20代で海外就職・転職するならどこの国がおすすめ?
一口に海外就職・転職と言っても、国やエリアによって難易度や必要となることは様々です。
一般的に言うと、東南アジアは他のエリアと比べると海外就職の難易度が下がるようです。
これは東南アジアは日系企業が多く進出しており、求人が多くあることによります。
また東南アジアでは英語も日本人と同じく第二言語となるため、最低限仕事が進められる英語力さえあれば就職できるためです。
また衣食住が同じアジア圏なので、日本人が生活しやすいという点があると思います。
対して欧米圏ではよりハードルが高くなる傾向があります。
特に先進国と呼ばれる国では、まず就労ビザが取りにくいです。
他国で働くためには必ず就労ビザを取る必要があります。
この就労ビザを取るためには、高い専門性や、語学力が必要になってきます。
私個人としては、自分がカナダで就職したこともあるのですが、ぜひ難易度が高い欧米圏への就職をおすすめします。
というのは、難易度が高い分、自分を磨く必要があるのでそこを目指すためにも大きく成長するからです。
専門性もつけて語学力も付けておくと、その後30代になっても大きな武器になりますよ。
また欧米圏での就職を果たす人は、これだけグローバル化した日本でさえもまだまだ少数派です。
その経験を欲しがる企業は多くあるため、その後の転職も有利に働きます。
若者よ。海外帰りの38歳の話を140文字だけ聞いてくれ。
20代の頃、留学会社のセミナーに参加した。それはリクルートとのコラボ企画で、「英語が話せる人材は、30代でも求人の数は2倍です!」と英語学習を促された。
あれから十数年、ぶっちゃけ2倍なんてもんじゃないよ!10倍はあるっ!英語頑張れ!
— ティミー玉手@ビジネス英語と海外情報をお届け✨ (@timmytamate) 2019年6月14日
この方もカナダで就職された方ですが、体感として10倍の転職先があるそうです。
「若い時ほど苦労しろ」ではないですが、難易度が高い分得るものも多いのが欧米圏への就職です。
このサイトでは欧米圏への海外就職・転職について余すことなくお伝えしているので、ぜひ他の気になる記事も読んでみてください。
20代での海外就職・転職を成功させるには
最後に20代での海外就職・転職を成功させるための秘訣についてお伝えします。
日系企業の場合
日系企業の場合は日本での就職活動と変わりません。
駐在員として派遣されるのであれば、日本で就職活動を行い、就職が決まって2〜3年で海外駐在として派遣されることが多いようです。
最近ではベンチャー企業でも早い段階から海外進出する企業もあるので、必ずしも大企業でないと海外に行けない、ということはありません。
もちろん大企業の方が福利厚生や海外勤務における手当は手厚いです。
ただ「経験」を重視するのであれば、ベンチャー企業に入って海外で働くのも全然ありかと思います。
私の友人では日本で働きつつ、フィリピンの留学エージェントの起業にジョインし、そのまま協同創業してフィリピンで働いたことがある人もいます。
起業までいかなくても、このようにベンチャーで海外勤務をする経験も貴重な経験になるでしょう。
専門性
海外企業では基本的に新卒採用というのは行いません。
即戦力採用が前提です。
そのため、日本企業のように「ゼロから研修で教えますよ」という環境はほぼないと思ってください。
そのため就職するためには何かしらの専門性が必要になってきます。
また就労ビザを発行してもらうためにも、この専門性がないとなかなかビザが下りないことがあります。
特に欧米圏では「Skilled Worker(高い専門性を持ってる労働者)」でないとビザが下りにくいです。
ただ最初に述べたようにハイレベルなエキスパートレベルでないとダメ、というわけではなく、企業が求めるスキル・専門性さえあれば就職できます。
また分野によっては1年学校で学んだり、独学で学べば身につけられる分野もあります。
個人的におすすめなのはITエンジニアです。
ITエンジニアは世界各国で人材不足になっており、働き口が見つけやすい職種です。
その他の職種に関してもこちらの記事で解説しているので参考にしてみてください。
学歴・語学力・文化適応力
次に必要なのが、学歴、語学力、文化適応力となります。
まず学歴ですが、国によってはビザを得るのに高い語学力を求めるところもあります。
例えばシンガポールのワークホリデービザでは、世界大学ランキングの200位以内に入っている大学を卒業していないとビザが下りないです。
なかなかハードルが高いですねw
そこまで厳しくなくても、それぞれの専門職の学位を持っていることが募集要項に書かれていることも多いです。
ただ学歴は専門性の高さでカバーできることもあるので、今学歴がない方はカバーできる専門性を付けることをおすすめします。
一番大事なのは行動力
最後に大事なのは行動力になります。
専門性を身につける、語学力を付ける、ビザのハードルをクリアする、そもそも働ける道を調べるのも全て行動することが不可欠です。
漠然と「海外で働きたいな〜」と思っているだけでは、いつまで経っても海外で働けるようになりません。
既に海外で働いている人に話しを聞く。語学学習をするなど。
海外で働きたいのであれば、自分が今すぐ取れる行動をリストアップし、どんどん行動していくようにしましょう。
20代で海外就職・転職するための道のり
最後に20代で海外就職・転職するための道のりについて解説していきますね。
日本で実務経験を積んで挑戦する
もしまだ何の専門性も語学力もない場合は、日本で働きながら専門性と語学力を高めてから海外就職・転職を目指すのが現実的な方法です。
先ほども説明した通り、海外では即戦力採用が前提。
そのため専門性も語学力もない状態での就職先は限られています。
その中で無理して海外で就職するよりも、新卒を育ててくれる日本企業で実力を付けてから海外就職を目指した方が、その後のキャリアアップにもプラスに働きます。
2〜3年ほどの実務経験があれば、海外企業からも経験者としてみなされるため(もちろん年数よりも実績が大事ですが)、海外で通用するスキルを付けられる日本企業に就職するのがいいでしょう。
以下におすすめの転職エージェントを紹介していますので参考にしてみてください。
またITエンジニアは海外の就職もしやすく、おすすめの職種です。
プログラミング技術を学んでおけば、国内での就職にも有利になるので学習しておくにこしたことはありません。
以下の記事でおすすめのプログラミングスクールについて解説しているので参考にしてみてください。
海外留学から就職に挑戦する
2番目の方法が海外留学(専門留学)から就職に挑戦する方法です。
特に国によっては専門学校や大学を卒業することで1年〜数年働けるビザが出る国があります。
そのような国で留学をし、卒業をすることでビザと専門性をゲットするのも取れる選択肢です。
もちろん語学留学をするだけでは専門性がつかないので、ここでの留学は何かしら専門スキルが身につく留学が好ましいです。
また専門留学は、一定の語学力があることを入学時に証明する必要があるため、そのために語学学校に通うのはありです。
その分お金も時間もかかってきますが、一つの選択肢として考えてみるのはありでしょう。
以下の記事では専門留学や、その後の就職について解説しているので参考にしてみてください。
留学先の調べ方
直接海外求人に申し込む
既に語学力とスキルがある人は、日本から直接海外求人に申し込むのもありです。
下のリンクの方は日本から直接シンガポールの求人に応募してTwitter社に採用されています。
海外就職を考えている人にはちょっと役立つかもしれないこと色々。
企業によってはビザサポート有りで、海外からの求職者も受け付けている企業もあるので、そういった求人を探して応募してみましょう。
日本にある転職エージェントでも、海外求人を取り扱っているエージェントもあります。
以下の記事では海外就職をする上でのおすすめの転職エージェントを紹介しているので参考にしてみてください。
またもし国が決まってるなら、その国の永住権についても調べてみることをおすすめします。
スキルと語学力がある方であれば最初から永住権を取得することも可能性としてはあり得るからです。
永住権を取るメリットとしては、企業がビザ取得の負担をする必要がないため、採用されやすくなる点と、また求人ももっと多くから選べるようになる点です。
永住権は国籍変更とは違い、「日本の国籍を保持したままその国に永住できる権利」になります。
永住権に関しては国ごとに全く制度が違うため、各国移民局のサイトをチェックされることをおすすめします。
以上、20代での海外就職・転職のメリット・デメリットについてと、おすすめの理由についてでした。参考になれば幸いです!