「北欧で就職や、北欧の企業の転職することはできるのだろうか。。」
そんな疑問をお持ちではないでしょうか。
管理人は北欧ではなくカナダでWebエンジニアとしてカナダ企業で就職・転職した経験があります。
その経験から海外就職においていかにビザが重要か痛感しています。そのため、今回北欧のビザを徹底的に調べ上げました。
この記事ではデンマーク、スゥエーデン、フィンランド、ノルウェーの4カ国をを北欧とみなして解説します。
北欧でITエンジニアとして就職するのが可能かどうか、北欧各国の英語の移民局公式サイトの情報をベースにリサーチを行いました。
北欧でITエンジニアとして就職されたい方はもちろん、ITエンジニアではない方でも北欧での就職を考えている方に参考になると思います。
まずはそれぞれの国の共通点を解説していきます。
北欧での就職、北欧企業への転職や、また留学から就職を考えている方はぜひ参考にしてみてください。
他のメディアサイトへの寄稿のためにこちらのページを参照してるライターの方へ:
このサイトの情報をそのまま転用するのはやめてください。ビザ情報は都度変わります。必ず各国移民局情報を自ら確認して記事を書くようにしてください。
共通点1:どの国も英語力が高く英語が通じる
まず北欧4カ国はどの国も国民全体英語レベルが高いです。
これは北欧圏の言語が英語と構造が似ているというのが理由の一つ。
もともと英語が発祥したイギリスは北欧周辺のゲルマン民族が移動して住み着いた経緯もあり、同じルーツを持つ民族なんですね。
もう一つが北欧諸国の英語教育が早くから始められること。
スゥエーデンでは小学校3年生から英語教育が行われるようです。
そのため、道行く人に英語で尋ねても流暢な英語で返事が返ってきます。
また職場も多国籍な企業が多く、他国からの移民が働いてる関係上大半の職場が英語が公用語となっています。
もちろん、それぞれの国の言葉が話せた方が仲良くなりやすく、親近感も感じてもらえるということはあります。
しかし仕事を行う上では英語ができれば十分です。
共通点2:どの国も税金が高い
また北欧4カ国はどの国も社会保障が充実しています。
社会保証が充実している分、所得税が40〜56%取られます。
一番高いスウェーデンが最大で56%、次に高いデンマーク51%の所得税率です。
これはどれだけ所得が低くても最低限取られるので、高い給料でも手取りは少なくなるということを覚えておきましょう。
共通点3:4カ国全てIT先進国
実は北欧はIT先進国なのです。
スウェーデン発の音楽ストリーミングサービスのSpotify、フィンランド発のNokia、またLinuxやMySQLもフィンアンド発です。
2016年の世界経済フォーラムとINSEADとの協同のリサーチで発表されたIT競争力の国際ランキングでは、
2位にフィンランド、3位にスウェーデン、4位にノルウェー、11位にデンマークが入っています。
国際ランキングの上位5位以内に3カ国も入ってくるほど実は北欧はITが盛んなんです。
北欧での就職に必要な英語力
北欧での就職に必要な英語力について解説していきます。
基本的に北欧でもほぼアメリカやカナダ、イギリスなど英語圏と同じ英語力が必要になります。
つまりは仕事をする上で「英語ができるのは当たり前」のレベルということです。
他の記事でも紹介しているように、TOEIC換算で最低でも850点は欲しいところです。(それでも最低限英語の基礎ができた状態なので若干きついと思います)
また技術力に自信がある方、ご自身のキャリアに自信がある方であれば、英語力のなさをカバーできることもあります。
しかし求められる英語力は「ネイティブと仕事上のやり取りについては問題なく意志疎通が図れるレベル」である必要があります。
北欧4カ国のビザの取得について
次に北欧4カ国のビザの取得について説明していきます。
情報は2019年12月現在の各国の政府サイトからの引用です。
移民政策は変化が激しいため、あくまで参考程度に留めていただき、ビザに関する最新情報は各自で必ず確認するようにしてください。
北欧4カ国でITエンジニアとして就職するためのスキルレベル
北欧4カ国でITエンジニアとして就職するためのスキルレベルですが、こちらもアメリカ、カナダ、イギリスなど英語圏とあまり大差はありません。
試しにindeedで無作為にITエンジニアの求人募集を調べてみたのですが、特にカナダやオーストラリアといった国と大差はありませんでした。
(記事リンク)
北欧4カ国でITエンジニアとして働く上で必要となるビザ
次に北欧4カ国でITエンジニアとして働く上で必要となるビザについて、各国政府機関の英語ページを参照してまとめました。(2019年12月現在)
しかし就労ビザの法律は頻繁に変わるので、本格的に就労を検討している方は、必ず最新情報をチェックしてください。(各章の最後に各政府機関へのリンクを貼っています)
北欧4カ国で共通すること
北欧4カ国にて就労ビザの取得で共通することを先に説明しておきます。
就労ビザ取得には、まず雇用主と雇用契約が必要です。
雇用契約を結ぶ前には、必ず、
・業務範囲
・給与額(Slary)
・契約期間(Terms of a contract)
・福利厚生(Benefits)
についてしっかり確認をしてください。
またどの国でも就労ビザ取得には企業のサポートが必要です。(雇う側の企業が国外の人材の雇用が必要なことを国に申請するため)
そのためまずは就職活動をして、企業から採用を決定される必要があります。
企業側には面接の段階で就労ビザが必要なことを話し、事前にそのサポートについて相談しておくことをおすすめします。
デンマークの就労ビザの取得について
まずはデンマークのビザの取得についてです。
デンマークでITエンジニアとして働くには以下3つのビザのどれかを取得する必要があります。
結論から言うと、ITエンジニアはThe Pay Limit SchemeもしくはThe Positive Listでの就労ビザ獲得が多くの人に可能性があるビザです。
The Pay Limit Schemeは年収DKK 426,985.06以上(約700万円)の給料のオファーをもらっていれば学歴関係なく取得できる就労ビザです。
もしくはThe Positive Listでの申請であれば、ITに関連した大学教育を3年以上受けている場合に申請できます。
どちらも申請にはデンマーク企業との雇用契約書が必要です。
Fast-track Scheme
高い能力を持った人材の急を用する雇用のために、短期間で取得できる就労ビザです。
申請する企業はSIRIと呼ばれる政府機関から認証されている必要があります。
SIRIに登録されている企業は以下のデンマーク移民局のページにリスト化されています。
また更にFast-trackの場合は、以下4つのスキームのどれかに当てはまってる必要があります
- The pay limit track:年収426,985.06 DKK(デンマーククローネ)以上の給料のオファーをもらってる人
- The researcher track:リサーチャーとしてのポジションをもらってる人向け(ゲストリサーチャーと博士課程の人は別のビザになるためそれ以外の人が対象)
- The educational track:高い専門性を持った人で、SIRI認証企業で高技能のトレーニングを受ける、もしくはSIRI認定企業でトレーニングを教授する
- The short-term track:最高3ヶ月以内の短期間の雇用契約をした人向け
これら4つのスキームに当てはまる人はFast-track Schemeへの申請資格があります。
また家族も一緒にデンマークに滞在することが許可されます。
申請条件など詳細を以下の表にまとめているので参考にしてみてください。
Fast-track Scheme | |
The pay limit track | ・年俸426,985.06 DKK(デンマーククローネ)以上の給料のオファーが必要 ・必要オファー年収額は毎年1月1日に更新 ・給料はデンマークの銀行に振り込まれる必要あり |
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The researcher track | ・年収426,985.06 DKK(デンマーククローネ)以上の給料のオファーが必要 ・必要オファー年収額は毎年1月1日に更新 ・給料はデンマークの銀行に振り込まれる必要あり |
The educational track | ・研究者としてのオファーが必要 ・ゲスト研究員と博士課程の学生は対象外 |
The short-term track | ・高い専門性を持った人で、SIRI認証企業で高技能のトレーニングを受ける ・高い専門性のトレーニングをSIRI認定企業の従業員対象に行う |
The Pay Limit Scheme
The Pay Limit Schemeは上記Fast-trackのThe pay limit trackとは違い、高い専門性や学歴がなくても一定以上の給料のオファーがあれば申請できるビザです。
2019年12月現在では、その額は年収DKK 426,985.06以上となっています。
またFast-trackと違い、SIRI認証企業でなくても申請が可能な就労ビザです。
The pay limit scheme | |
取得条件 | ・年俸426,985.06 DKK(デンマーククローネ)以上の給料のオファーが必要 ・必要オファー年収額は毎年1月1日に更新 ・給料はデンマークの銀行に振り込まれる必要あり ・労働条件は通常のデンマークの基準を満たす必要がある |
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The Positive List
The Positive Listは特にデンマークで人材不足となっている職種に限って認められる就労ビザです。
この職種は「DISCO-08」と呼ばれるデンマーク統計局がまとめている資料です。毎年1/1と7/1の2回更新されるリストになります。
上記リストはデンマーク語で書かれているため、一部職種が移民局サイトに英語で書かれています。
また申請にあたっては、その職種の教育を受けた学歴が必要となります。
IT関連では以下の職種がエントリーしています。それぞれ求められる学歴も書かれているので合わせて併記しておきます。
・ITエンジニア
・ITコンサルタント
・プログラマーとシステム開発者
上記職種は全て最低3年間の大学もしくはビジネススクールレベルのIT教育が必要
これらの職種に当てはまる人で雇用契約がある方は申請が可能です。
それ以外の職種は以下のページを参考にしてください。
The positive list : Is my job on the Positive List?
DISCO-08自体はデンマーク統計局のページにリストが公開されています。(デンマーク語です)
STATISTICS DENMARK’S CLASSIFICATION OF OCCUPATIONS (DISCO-08), V1:2010
最新情報については、下記デンマーク移民局のサイトで必ずチェックしてください。
デンマーク移民局:You want to apply for a work permit
スウェーデンの就労ビザの取得について
スウェーデンの就労ビザの種類はデンマークほど細かくは分かれていません。
ただ必要となる最低給料などは決められています。
課税前の1ヶ月の給料が13,000SEK(スウェーデン クローナ)以上である必要があります。
その他条件については下の表にまとめているので参考にしてみてください。
Work permit requirement(スウェーデン移民局) | |
条件 | ・有効なパスポートを持っていること ・スウェーデンの労働協約や、スウェーデンのその業界の通常と同等の条件の給料のオファーをもらっていること ・課税前の1ヶ月の給料が13,000SEK(スウェーデン クローナ)以上 ・健康・生命・雇用保険、また年金の支払いを提供する雇用主であること |
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最新情報についてはスウェーデン移民エージェンシーのサイトで必ずチェックしてください。
スウェーデン移民局:Work permit requirements
フィンランドの就労ビザの取得について
フィンランドの場合は就労ビザというよりも滞在許可証が必要になります。
滞在許可証を得るために雇用契約書が必要になってきます。
日本のパスポートであればフィンランドでは観光ビザ(ビザの取得手続きは必要なし)で90日間滞在できます。
また90日間以内の就労であれば特にビザの申請は必要ありません。(※諸条件はありますので必ず移民局のサイトで確認してください)
90日間以上の滞在には滞在許可証が必要になり、雇用契約書と共に申請が必要になってきます。
フィンランドでの就労ビザ取得は、専門性の高い職業であれば取得が可能です。
この専門分野は、
- 高等教育が必要な職業(大学の学位など)
- 課税前の給料がフィンランドの平均以上(月の給料がEUR 3,000以上)
である必要があります。
また上記の基準に満たない場合であっても、その専門技術が行う仕事で必要なことを文書で証明できれば特例で認められることもあるようです(※移民局サイト参照)
この専門分野の例として、ITエキスパートが挙げられており、ITエンジニアであれば専門性が高い職業で就労ビザが降りやすいと思われます。
フィンランド移民局:You may apply for a residence permit for a specialist
またそれら専門分野でなくても雇用契約書が必要になります(その場合は雇用主が外国人を雇う正当性を証明する必要があります)
どのような書類が必要かについては、職業毎に違います。
フィンランド移民局の以下のページで紹介されているため確認してみてください。
If you plan to work in Finland, usually you will need a residence permit in Finland
ノルウェーの就労ビザの取得について
ノルウェーの場合もフィンランドと同じく滞在許可証が必要になってきます。
熟練労働者(skilled worker)の場合、以下のいずれかの学歴もしくは職歴に当てはまっている必要があります。
- 最低3年間の職務に関連する高等教育を受けている
- 大学もしくは短期大学で職務に関連する学位を取得している
- 長い職歴により特別な資格を有しており、高等教育と同等の価値を持つもの
またもちろんノルウェーの企業からの雇用契約書が必要になってきます。
また労働協約の基準を満たす給料の支払いが必要であり、もし労働協約がない産業であれば、学位に合わせて最低年収が決まっています。
その職種が学部卒の学位が必要であれば、課税前の年収が391,800NOK(ノルウェー・クローネ)以上。
修士過程の学位が必要であれば、課税前の年収が421,700NOK(ノルウェー・クローネ) 以上である必要があります。
ノルウェーで特殊なのが、ノルウェーで職を探す熟練労働者に最長6ヶ月滞在が許可されている点です。
これはノルウェーとビザ無しで滞在できる協定国に限られていますが、日本もその協定国に含まれているので利用ができます。
また仮に失業したとしても、7日間以内に警察に住所を連絡すれば、その後最長6ヶ月間滞在し、転職活動をすることが可能です。
再就職を果たした時にも警察に住所を伝える必要があります。
もし転職で職種が変わる場合は滞在許可証の再発行が必要になります。
詳しくはノルウェー移民局のサイトを確認してください。
ノルウェー移民局:Skilled workers
その他参考サイト:Immigration from outside Europe
デンマーク、ノルウェー、スウェーデンはワーキングホリデー制度も利用可能!
またデンマーク、ノルウェー、スウェーデンではワーキングホリデー制度も利用できます!
ワーキングホリデーとは協定国間で30歳以下の人が最長1年間就労と旅行ができるビザとなります。
日本は北欧はデンマークとノルウェーと結んでおり、さらに2019年8月からスウェーデンもこのワーキングホリデー協定を結びました!
この3カ国であれば1年間の滞在と就労が可能なんですね。
以下それぞれの国のワーキングホリデー制度の紹介をしていきます。
特にワーキングホリデーは企業のスポンサー無しで就労できる貴重なビザなので、デンマーク・ノルウェー・スウェーデンで働くことを考えている方は利用タイミングは慎重に検討しましょう。
以下ワーキングホリデーの特に就労条件に関する部分を中心にまとめています。
デンマークのワーキングホリデー
デンマークのワーキングホリデーは就労期間が6ヶ月と決まっています。
そのためもしデンマークで働き続けたい場合は、6ヶ月の間で企業に実力を認めてもらい、その後は就労ビザをスポンサーしてもらう必要があります。
その他デンマークのワーキングホリデーの詳細情報は表にまとめているので参考にしてみてください。
デンマークワーキングホリデー概要 | |
期間 | 1年間 |
---|---|
必要な手続き | 必要書類を準備し、オンライン上のアプリケーションで申請。 申請後、VFSデンマークビザ申請センターに訪問予約をし、生体認証を行う。 |
現地での必要な手続き | 在留届の提出、CPRナンバーの発行。CPRナンバーを発行すると保険カードがもらえる。医療費が無料になり、銀行口座開設、図書館カード作成などの時に便利。 |
申請時の年齢 | 18歳〜30歳 |
就労条件 | 就労可能な期間は6ヶ月 |
注意事項 | ・ビザ申請は渡航前の2〜3ヶ月前からの受付。それ以前は受付不可の可能性あり ・ジェンゲン協定規定により、ワーキングホリデー後のヨーロッパ旅行は不可(6ヶ月間以上ジェンゲン協定国外に滞在する必要あり) |
ノルウェーのワーキングホリデー
ノルウェーのワーキングホリデーは就労できる期間の制限はありません。
ただし同一の勤務先で6ヶ月以上働くことはできないビザとなっています。
そのため6ヶ月経ったら違う勤務先を探す必要が出てきます。
またデンマークと同じようにもしノルウェーで働き続けたければ、6ヶ月の間で企業に実力を認めてもらい、その後は就労ビザをスポンサーしてもらう必要があります。
その他ノルウェーのワーキングホリデーの詳細情報は表にまとめているので参考にしてみてください。
ノルウェーワーキングホリデー概要 | |
期間 | 1年間 |
---|---|
必要な手続き | 必要書類を準備し、オンライン上のアプリケーション(VFSノルウェー申請センター)で申請。 |
現地での必要な手続き | 在留届の提出、CPRナンバーの発行。CPRナンバーを発行すると保険カードがもらえる。医療費が無料になり、銀行口座開設、図書館カード作成などの時に便利。 |
申請時の年齢 | 18歳〜30歳 |
就労条件 | 同一の雇用主では6ヶ月まで就労可能 |
注意事項 | ・ビザ申請は渡航前の2〜3ヶ月前からの受付。それ以前は受付不可の可能性あり ・ジェンゲン協定規定により、ワーキングホリデー後のヨーロッパ旅行は不可(6ヶ月間以上ジェンゲン協定国外に滞在する必要あり) |
スウェーデンのワーキングホリデー
2019年8月に日本とスウェーデンの間でワーキングホリデー協定が結ばれました。
しかし、まだ実際の申請受付は開始されておらず、詳細な情報も公開されていません。
日本ワーキング・ホリデー協会にも詳細な情報は掲載されていないのですが、スウェーデン移民局のサイトから他国とスウェーデンのワーキングホリデーの条件を参照してみました。
現在スウェーデンはアルゼンチン、オーストラリア、チリ、香港、カナダ、ニュージーランド、韓国、ウルグアイとワーキングホリデー協定を結んでいます。
それらの国との間での条件を以下の表でまとめています。
対日本では条件が変わる可能性があるので、あくまで参考情報としてください。
公式な発表があった場合はそちらの情報を参照してください。
スウェーデンワーキングホリデー概要(スウェーデンと他国との協定詳細) | |
期間 | 1年間 |
---|---|
必要書類・条件 | ・有効なパスポート ・最低15,000SEK(スウェーデンクローナ)の残高証明 ・帰国便の航空券または帰国便購入できる残高があること ・スウェーデン滞在中にも適用可の医療保険 ・申請のための手数料(1,000SEL)支払い ・子どもを連れてこないこと |
申請時の年齢 | 18歳〜30歳 |
就労条件 | 同一の雇用主では6ヶ月まで就労可能 |
注意事項 | ・ビザ申請は渡航前の2〜3ヶ月前からの受付。それ以前は受付不可の可能性あり ・ジェンゲン協定規定により、ワーキングホリデー後のヨーロッパ旅行は不可(6ヶ月間以上ジェンゲン協定国外に滞在する必要あり) |
参照:スウェーデン移民局:Working holiday visa for young people
留学してからの就職の可能性は?
次に留学してから現地にそのまま就職する可能性について調べてみました。
各国政府機関のページを参考にしてまとめていますが、滞在許可や就労ビザの制度は頻繁に変わります。
2019年12月現在の情報ですので、実際に参考にする時は必ずリンク先の政府機関のページをご自身で確認するようにしてください。
デンマーク留学から就職の流れ
デンマークの高等教育機関を卒業した後であれば、最長6ヶ月間デンマークで就職活動するために滞在が延長できます。
特に修士もしく博士号を持っていれば、Establishment cardの申請ができます。
Establishment cardがあればどの企業でも働くことが可能です。
それ以外の、学部卒や専門学校のような学校の場合は政府機関から認証されてる教育機関であれば、4ヶ月ほど滞在を延長できるようです。
滞在延長には申請が必要です。
以下に条件を表でまとめています。
デンマークのEstablishment card発行について | |
申請条件 | デンマークの大学で修士課程もしくは博士課程を修了していること |
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申請期間 | 卒業後6ヶ月以内に申請すること |
その他条件 | 卒業後1年間の生活資金があること:独身であれば最低DKK 88,356はあること |
詳しくは政府機関のサイトを確認してください
スウェーデン留学から就職の流れ
スウェーデンでも高等教育機関を卒業した後は、最長6ヶ月間スウェーデンで就職活動のために滞在を延ばすことができます。
申請について特に重要な点だけこちらに抜粋しておきます。
申請条件 |
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これらの条件が課されているため注意してください。
申請には様々な条件があるため必ずスウェーデン移民局の該当ページを確認してください。
スウェーデン移民局:Residence permit after studies
フィンランド留学から就職の流れ
フィンランドではフィンランドの高等教育機関を卒業し学位があれば滞在を延長することが可能です。
フィンランドはデンマークやスウェーデンと比べてやや留学生に優しい制度になっています。
まずフィンランドで学位を取得した後、就職活動をする方は最長1年間滞在許可証を発行してもらえます。
また自分で起業してビジネスを行う場合でも、この滞在許可証は降ります。
職が見つかった場合には、改めて手続きをする必要があります。
以下まずは就職活動のための滞在許可証を申請するための条件をまとめています。
申請条件 |
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引用:Residence permit application for extended permit to look for work or to start a business
また就労のための滞在許可証を申請するための条件は以下の通りです。
申請条件 |
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引用:Residence permit application for person with a degree completed in Finland
また、スウェーデンと違ってフィンランドでは学位を取得して卒業後、数年間フィンランド国外にいたとしても、滞在許可証を申請できます。
何年間フィンランド国外にいようと申請は可能なようです。
詳細についてはフィンランド移民局の以下のページを確認してください。
Seeking work after you have graduated or completed your research
ノルウェー留学から就職の流れ
ノルウェーでは高等教育機関の留学後、高スキル職種(Skilled wrker)の職を探してる方を対象に滞在の延長が可能です。
申請には以下のいずれかの条件を満たすことが必要です。
申請条件 |
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---|
ノルウェーの場合、この就職活動のための滞在許可証は最長1年です。
ノルウェーは北欧4カ国の中で唯一外国人でも学費が無料なので、ノルウェー留学は魅力的な選択肢の一つです。
詳細についてはノルウェー移民局の以下のページを確認してください。
Jobe seekers : A job seeker who has recently graduated in Norway or is a researcher
奥の手!?起業ビザで滞在期間を延ばし就労ビザにつなげる
北欧の就労ビザについて調べていたところ、起業ビザで滞在を延ばす手法を解説されているサイトもありました。
この手法は起業ビザを申請しさえすれば、申請からビザの承認が降りるまでは合法で滞在できるため、その間に就労の準備を進める、という方法です。
実際に就職先が決まってから、就労ビザに切り替え手続きをして働き始めるとのことです。
サイトではフィンランドでの事例で、前の章で説明した通りフィンランドは他の北欧3カ国と比べて滞在許可証の取得がしやすいです。
その他の国で同じ事例は見受けられませんでしたが、他の北欧3カ国でもそのような滞在方法が可能かどうか調べてみる価値はありそうです。
日本から求人に応募するには?
最後に日本から直接北欧の企業の募集に応募するための情報をお伝えします。
求人サイトから直接応募
求人サイトからの応募では、以下のサイトがおすすめです。
indeed
indeedはリクルートが運営する求人サイトですが、元々は世界中で使用されていた求人サイトになります。
北欧圏でも使用されている求人サイトですので、まずはこちらのサイトで求人をチェックしてみるといいでしょう。
indeedはそれぞれ国ごとにサイトが分かれているので、働きたい国でそれぞれ検索する必要があります。
以下にリンクを貼っておくので参考にどんな求人があるか見てみるといいでしょう。
もちろん求人は全て英語で書かれているため、求人が読み取れる英語レベルは必要です。(そもそも求人が読み取れるれベルの英語力がないと就職も危ういと思いますが。。)
リモート職への応募
またリモートで働き、実績を認めてもらってから本社に採用されるというルートを取ることもできます。
この場合は必ずしもその道が開かれるというわけではなく、あくまで道が開かれやすくなる、と思ってください。
実績を作っていさえすれば、次の転職でも推薦をしてもえるため(リファラル)、それが次の転職先につながりやすいです。
またメリットとしては日本にいながら海外企業の仕事ができる点です。
海外企業のリモート職の獲得方法についてはこちらの記事を参考にしてみてください。
転職エージェントを使用しての応募
転職エージェントを使用して応募することもできます。
転職エージェントを利用するメリットとしては、英文履歴書やカバーレターの添削をしてもらえる点。
就労ビザの取得についてアドバイスがもらえる点です。
北欧に限ってしまうと求人自体はそこまで多くはないですが、全くないわけではないため、全ての転職エージェントに応募してくまなく求人をチェックする根気強さが必要でしょう。
以下の記事で特にIT・Web企業に特化したおすすめエージェントを紹介しているので参考にしてみてください。
以上、北欧でITエンジニアとして海外就職する方法についてでした!
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