「日本語教師として海外で働くってどんな感じなんだろう」と思ってはいるものの、実際海外で働いている日本語教師の方の話しを聞く機会ってなかなかありませんよね。今回は実際に日本語教師としてコスタリカで働いていた、さやかさん(仮名:以下「さ」)に海外で日本語教師として働くことについて聞いてみました。
日本語教師になるための必要な資格とは?
日本語教師になるための資格というのはどのようなものがあるのでしょうか?
日本語教師になるためには特に必要な特定の資格というのはないんです。 ただし日本語教師としてよく求められる資格が3つあって、そのどれかの条件が当てはまっていれば就職できます。
さやかさんによると、日本語教師になるには以下3つの方法があるようです。
- 大学の主専攻・副専攻で日本語教育学を学んでいる
- 民間の420時間の講座を取る
- 日本語教育能力検定試験 年一回の試験に合格すること
私の場合は、大学のカリキュラムの中で「日本語教師養成講座」というものがあり、その講座を修了しました。就職活動の時にも、その講座の修了証を提出しています。
海外で日本語教師は未経験でもなれる?
海外で日本語教師として未経験でも働けるのでしょうか。
先ほどお伝えしたように、必要な資格といっても民間の教育期間で日本語の講座を受ければなれるため、未経験でも日本語教師として働くことは可能です。むしろ海外、特に東南アジアの方が日本語教師として就職するハードルが日本よりも下がるため、最初のキャリアを積むのに海外を選ぶ人もいるほどです。ただし待遇がいい求人は大抵日本語教育の修士号の資格を求められるため、本気で日本語教育に携わるのであれば、日本語教育で修士号まで取ることをおすすめします。
また、未経験でも就職は可能ですが、給料がそこまで高くないため生計を立てるのにプランが必要になります。
海外の日本語教師の給料は?
給料の話が出ましたが、実際にどのぐらいの手取りか支障のない範囲で教えていただけますか?
私の先輩の日本語教師の話では、一人暮らしは何とかなるけど、家族を養うのは無理、と言っていました。実際に手取りは20万円いかないぐらいです。管理職になればもう少し上がりますが、それでも生計を立てるのに厳しいのが実情です。
さらに気をつけたいのが、海外でも現地就職となると現地の給料水準となってしまいます。例えばカンボジアで現地就職した場合月500ドルの給料です。日本企業で海外駐在という形であれば日本の水準で考慮されるためそこまで低くなることはありません。
海外で日本語教師として働く上で地域によっての違いとは?
先ほど東南アジアの話が出ましたが、海外でも地域によって日本語教師として働く上で違いはありますか。
大きく分けてアメリカ・カナダ・オーストラリアといった欧米圏とその他の国に分けて説明しますと、欧米圏の方が求人が少なく、就職のハードルも上がります。また例えばオーストラリアですと、「現地在住の方のみ」といった条件が課されていることもあり、日本にいながらにして職を得るのが難しいのが現状です。
対して東南アジアでは今でも日本語教育の需要があるため就職がしやすいです。ただ東南アジアの中でもタイ、ベトナム、カンボジアでは現地の人でも教えている人がたくさんおり、日本語教育市場が飽和していますが、ミャンマー、ネパールでは今まだ日本語教育が広まっていく段階のため、日本語教師としての職も多いです。
また欧米では大学教員の求人もありますが、職として安定しているためこちらも人気が高く応募が常に殺到しています。また先ほども言った通り、日本語教育の修士号の資格が求められるため、ハードルも上がります。
海外の日本語教師の求人を見つけるおすすめサイトとは?
経験豊富なさやかさんに日本語教師の求人を探す上でおすすめのサイトを教えていただきました!
日本語教師に特化した転職サイト
日本語教師の求人は下に紹介する2つのサイトが多くの求人情報を掲載しています。
どちらのサイトも国内、海外両方の求人を掲載しています。ただし募集先が民間企業の場合は注意が必要です。聞いた話ですが、民間学校は、インターネット上でスカイプ面接して実際に行ってみたら条件が違ったり、そもそも学校がなかったりということもあるようです。
人づてで働き口を紹介してもらうのが安心ですが、タイミングの問題もありますし、転職エージェントを介した方が安心だと思います。
日本語教師におすすめの転職エージェント
リクルートエージェント
リクルートエージェントは業界最大手であり、海外求人も多く取り扱っています。もちろん日本語教師についても求人はあるため、幅広く情報収集する上でもまず登録しておいて損はないエージェントとなります。
doda(デューダ)
dodaはリクルートエージェントに次ぐ求人情報を持っているエージェントとなります。得に海外転職においてサービスが充実しています。
マイナビエージェント
マイナビエージェント(※マイナビのプロモーションを含みます)は上記2つのエージェントよりも規模は小さくなりますが、その分中小企の募集に力を入れているため、日本語学校の求人も規模にしては多い方です。
公開求人でも日本語教師の募集が掲載されており、非公開求人であればもっと求人数は多くなるため、
上記2つのエージェントと共に募集情報の収集のためにも登録しておくことをおすすめします。
また、さやかさんのように青年海外協力隊の隊員として派遣されて、日本語教師として働く道もあります。また似たようなプログラムが国際交流基金でも行われているためチェックすることをおすすめします。
青年海外協力隊
http://www.jocv-info.jica.go.jp/jv/index.php?m=List&jID=G157&n=y
国際交流基金
https://www.jpf.go.jp/j/about/recruit/japan_30.html
どちらもだいたい2年の任務になりますが、任務が終わった後の保障はないため、その後の人生プランも考えておく必要があります。
以上、実際に海外で日本語教師として働かれたさやかさんのお話でした。海外で日本語教師として働く上で参考になれば幸いです。